そもそも今回のDX移動は、いっしょに行ったJF2XQP(内藤氏)と「DXで一度は運用したいね」という雑談が発端です。候補地として、JAからそれほど時間と金が掛らない地域ということで、V6(ミクロネシア)T88(パラオ)はどうかということでまとまり、それぞれの国のTelecomに対し免許(コール)申請の方法を郵便で打診しました。両国とも2ヶ月くらいで返事があり、申請書が同封されていました。当初、T8にあるYaesuのレンタルシャックで「DXからKWとビームでパイルをさばく」という夢をみていたのですが、値段を問い合わせてビックリ、到底予算に合わないほど高いこと(「当局達のような極貧ハムには」ですが・・)がわかり、逆にレンタルシャックのないV6に標準を合わせました。

またXQPと当局の2局で行くのは機材運搬などの関係で不利と考え、XQP局のフレンド局を誘うことにしました。

日程的に11月に各局の休みが取りやすかったので、11月初旬をターゲットに準備をすすめる事になりました。免許申請に使う英文証明(従免・局免)を各人で申請して持ち寄ることにしました。ところが、この申請が手間取って9月中旬までずれ込み、V6は時間的に無理となりました。また、このころになってXQPのフレンド局がコマーシャルの関係で参加できなくなり、V6計画はすべてご破算に。そこで相互運用(日本の無線免許で運用)ができ、航空券やホテルの確保がしやすいKH2(グアム)あるいはKH0(サイパン)に行くことで再度練り上げました。結局、期間は11/2から11/5までとし、QTHSDRの独断(単にKH2には3月に行っているから)でKH0としました。

               2001/9/11のテロの影響

2001/9/11のテロのおかげで、海外渡航者が激減しました。特にハワイなどを含む日米路線は顕著で、運休や減便が相次いでいます。2000/10には日に2便あったコンチネンタル航空の名古屋―グアム便も一便となりました。幸運にもサイパン(以下SPN)線は生き残ったようで、今回は名古屋(NGO)から出かけられそうです。しかも、JSTという旅行社で、なんとSPN往復\25000という航空券が出ていることを発見。発券してもらった係りのおねえさんから「今後、絶対こんな料金では行けませんよ!」という航空券を渡されました。

さて、もう一つの心配は「テロで荷物チェックが厳しくないか?」と言う点です。US本国の空港では、靴まで脱いでX線でチェックされると聞いています。米国信託統治領のSPNも当然厳しいものと予想されます。そこへ、高出力の無線機やアンテナを持ち込もうというわけですから、スパイか何かと疑われてもしかたがありません。別室送りか、場合によっては強制送還や逮捕監禁という言葉が頭を横切ります。

後から聞いた話ではXQPはこれに備えて、無線機類の英文取り説を準備していたそうです。

           運用地の選定

KH0からの運用」という言葉から最初に思い浮かぶのは「Yaesuレンタルシャック」からの運用です。これはマリアナリゾートホテル(ホテルといってもコテージのような小館の集合体でした)の一部屋を無線専用に貸し出しているものです。当然、かの地には八重洲の最新?リグやタワー・アンテナが準備されており、日本からは何も持たずに無線を楽しむことができます。実際、他のOM連のホームページを「KH0からの運用」などで検索していくと、半数くらいはこの施設からの運用が報告されていました。

しかし、準備段階で
T8のシャックの値段に驚いた経緯と「レンタルシャックで運用して帰っただけでは、装備の準備に関して何のKnowHowも残らない」という思いもあり、今回は一般的なホテルからの運用を目指しました。かといって、まったく無線について造詣のないホテルへ行って、男の2人連れが「アンテナを張らせてくれ」だの、無線のために「海側の最上階の部屋をくれ」といってもどこまで交渉ができるか不安もあり、他のOMが運用した実績のあるホテルを再度ネットで検索しました。結果、「Saipan Diamond Hotel」という日系のホテルで多くのハムの運用実績があることがわかりました。

早速、予約とアンテナ建設の許可を打診したところ、このホテルの日本人スタッフの方から回答がありました。「特別料金=
$40(1チーム・今回は2人で$40)」を払えば、最上階の部屋の確保と屋上にアンテナを建設できるという内容でした。空港からの送迎もサービスしてくれることもあり、早速予約したことは間違いありません。また、たった2人で移動ということもあり、無線装備をシェアせず「各人持ち込み」としました。

     \25000の航空券
(矢印の値段に注目。テロの影響とはいえ、名古屋と成田間の地上移動と同じ料金でSaipanに行けるとは・・)
T8(パラオ)V6(ミクロネシア)のTelecomからのレターとアプリケーションフォーム